「シャコタン、カッコイイ!」 車高の低い改造車、踏切で事故相次ぐ

久留米市津福本町にある西鉄の踏切で、車高を低くした改造車と電車が衝突する事故が相次いだ。取り付け道路よりも踏切部分が高いため、車体の底をこすり、立ち往生している間に電車と衝突した。久留米署と西鉄久留米市は「改造車の問題」としているが、道路にも改善すべき点がないか、協議を始める。

現場は天神大牟田線試験場前〜津福駅間の「試験場前1号」踏切。事故を起こしたのはいずれも「シャコタン」(車高短)と呼ばれる改造車だった。「格好良く見せるためにシャコタンにした」。昨年12月24日、この踏切で車底をこすり、電車を止めた佐賀市の会社員男性(27)は同署の調べに対しこう話したという。「格好良さ」を求めた代償は大きく、車は大破。ダイヤが乱れ、乗客約5万人に影響した。西鉄は車体の復旧費などを男性に請求している。

同署によると、男性の車は本来、最低地上高が16センチだが、改造でかなり低くなっていた。同署は今月8日、この事故で乗客3人に軽傷を負わせたとし、男性を自動車運転過失傷害の疑いで福岡地検久留米支部書類送検した。今月11日早朝には久留米市の会社員男性(20)の乗用車がこの踏切で同様の事故を起こして電車を止め、後続電車を遅らせた。同署によると、車はシャコタンの改造車で、事故の原因とみて捜査を進めている。

「凹凸有り注意 踏切内最徐行」。踏切には看板が立てられている。昨年12月の事故後、西鉄が設置した。線路は周囲の土地よりも高く、軌道敷と接する部分の道路は傾斜。線路は緩やかなカーブで、列車が曲がりやすいように外側のレールがやや高い。このため、車高が低い車は凸部で車底をこすってしまう。一方、久留米署の棟杉邦哉交通管理官は「普通の車は事故を起こしていないので、基本的には改造車が悪いが、道路改良も含めて見直せる部分は見直すべきだ」と話している。今後も事故が続く恐れがあるため、同署と西鉄、市は、改善策について協議を進める方針だ。