ドリフト見物の女子中学生死亡で、無免許の16歳少年ら逮捕へ

23日午前2時半ごろ、兵庫県姫路市白国の市営山上広場駐車場から、少年の声で「駐車場で人が倒れている」と119番通報があった。救急隊員が駆けつけたところ、少女が頭から血を流して倒れているのを発見。市内の病院に搬送したが、まもなく死亡が確認された。車を高速で横滑りさせる「ドリフト」と呼ばれる危険な行為を見物していてはねられたとして、姫路署は車を運転していた16歳の無職の少年を自動車運転過失致死容疑と道交法違反(無免許)容疑で、助手席にいた18歳のとび職の少年=いずれも同市内在住=を道交法違反(同幇助(ほうじょ)で逮捕する方針。2人とも無免許だった。

同署によると、死亡したのは同市増位新町、中学3年、寺尾祐紀さん(15)。駆けつけた同署員が現場にいた18歳のとび職と16歳の無職の少年、同市内の中学3年の男子生徒4人(いずれも14歳)の計6人に事情を聴いたところ、16歳の少年が「駐車場内で軽乗用車をドリフト走行させて遊んでいて、ハンドル操作を誤って寺尾さんをはねた」と供述。駐車場内には無数のタイヤ痕が残されていた。

現場は姫路城から北約5キロの郊外の山の頂上付近。ふもとには民家が密集しているが山道に入ると駐車場までの間、民家は1軒もなく、この山道を「ドリフト族」と呼ばれる若者たちが毎晩のように出没し、猛スピードで車を走らせて遊んでいたという。

駐車場入り口には、さくやチェーンなどはなく、誰でも自由に出入りできたという。ふもとに住む女性は「夜中になるといつも数台の車がタイヤを鳴らしながら山道を走り回り、眠れないほど騒音がひどい」と話していた。

寺尾さんは2年生の後半から欠席が目立っていたが、最近は教師らに「学校の大事さがわかった。高校に進学したい」と話していたという。