「ラーメンが獣臭い」 妊娠シカ殺しの容疑者、ラーメン屋店主だった

奈良公園内の春日大社で3月、シカがボーガン用とみられる矢で撃たれ死んだ事件で、三重県津市のラーメン店経営、稲垣銀次郎容疑者(39)が文化財保護法違反の疑いで奈良県警に逮捕された。

稲垣容疑者は知人で飲食店店員の伊達恵容疑者(37)と共謀。3月12日夜から13日未明にかけて春日大社の境内で矢を放ち、シカを傷つけた疑い。シカは13日に保護されたが、その後死んだ。稲垣容疑者は「金がなく、シカ肉は高く売れると思った」と供述。周囲には「シカ肉食べないか」とも話しており、シカ肉でひと儲けする腹づもりだったようだ。

稲垣容疑者は昨年春に津市で「闘魂ラーメン晴れる屋」を開業。周辺で犬を放し飼いにしていたため、住民から県に苦情が寄せられていた。県の保健所担当者が説明する。「犬が小学校の通学路をうろついていると通報があった。ロットワイラーという種類で、成犬は体高60センチ以上になる。軍用や警備に使われ、凶暴なので、専用の施設で管理を徹底するよう指導したが、聞く耳をもたなかった」。今年1月と3月には、店の近くで宅配業者の男女と男性会社員がこの犬にかまれ、けがを負う事件も起きたという。また昨年8月には、店に隣接するガレージで豚2頭と鶏20羽を飼育。「糞尿を近くの川に垂れ流すので、悪臭がひどいと苦情があった。夏場のため、においはもちろん、川にはウジもわいていた」(保健所担当者)。

県と市が立ち入り指導に踏み切ったが、状況は改善されず、10月1日に再度指導に入った。このときはなぜか、豚が4頭、鶏は30羽に増えていた。別の敷地に移転するよう命じ、10月下旬になってようやく応じたといい、「最近は犬の事件で報告書の提出を求めていたが、本人とまったく連絡がつかない状態だった」(同)。

肝心のラーメンの評判もさんざんで、地元住民は「食べたいという声は聞いたことない」。ネット上でも《『まずい』 接客態度、衛生観念、どちらも最悪》《ラーメンが獣臭い》などと批判のオンパレード。