神戸大生、ホームレス襲撃動画

「力投した生卵が顔面(口)に直撃。口から血が出てました。ちなみにこれでも起きませんでした」動画を見ると、仰向けに寝るホームレス風の男性の姿が。若い男性は寝ている男性に何かを思い切り投げつける。

この動画は、10月28日ごろになって、2ちゃんねるなどで、内容がひどすぎると話題になった。そして、投稿者がミクシィのプロフィール欄で、パナソニック内定の神戸大学生などと明かしていたことから、情報サイトなどが大学や企業に問い合わせるほどの騒ぎになっている。

関係先に取材すると、動画投稿者がアルバイト先と言っていた神戸市内のアパレル店店長は、こう明かしたのだ。「本人からは、仲間の一人がホームレスのふりをしていたと聞きました。生卵で襲撃したというのは、自作自演だったということですよ」。一方で、店長は、「誤解を生むし、社会的に問題があります。うちも迷惑しています」と話す。そして、このアルバイトを2009年10月29日付で解雇したことを明らかにした。この騒ぎで、神戸市内の別のチェーン店の店長ブログにコメントが700件以上も殺到して炎上し、この店長がブログで29日、まったく無関係だとするお知らせを更新している。

神戸大学では同日、騒ぎを受けて、広報室がコメントを発表し、動画投稿者は同大の学生であることを明らかにした。同大では、軽率な行為だとして、所属学部長が口頭で厳重注意した。パナソニックでは、広報担当者がこの学生が内定者であることを認めたが、事実関係はまだ本人に確認している段階だという。確認が取れ次第、適切に対応するとしている。支援団体の一つ「神戸の冬を支える会」はこう指摘する。「こうしたことを面白がるようでは、ホームレスの差別につながりかねませんね。学生らの潜在意識に差別があるとみられても仕方がなく、こうした問題を今後、教育現場などで考えていかなければならないでしょう」。